(※全て本家トピックよりコピペ改変。
 一番上は親トピック、以下一通目〜六通目)


 目の届かない空間にある姿を、視る代わりに。
 何処だか分からないその隣へ、追いかける代わりに。
 毎日、時間と言葉を傾けよう。かわいい子。



◆◇◆PL補足◆◇◆
・主にロール外で毎日送られたもの。

・送り先PLさま許可済み。
・その他の苦情等は私書まで。


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【一通目と、】


(2013/09/03_夜)

(オーソドックスなクリーム色の、小さなマジカルレター。
 ポストカードよりやや小さく、また便箋より厚手な、メッセージカードタイプ。

 送るための宛名はあれど、差出人の名前はなく。
 しかしていつも通りのインク、字体、言葉選び、呼びかけ、――そしてこの行動。

 短く纏めるつもりの言葉に、しかし署名が惜しいとばかり。
 潰れそうな細かい字が並ぶ、とまではいかないけれど。
 そんな一通目が、好意と行為を告げた。)


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【二通目】


(2013/09/04_夜)

 ___。オレは勝手に、アンタに好いてもらえている気でいる。
 互いの気持ちに因果が無いなら、それは奇跡みたいなものだ。勝手にそんな事を思っている。

 オレの“好き”は他の奴のそれと少し違う。差の一つは、『何者だろうとただ相手自身が絶対的に好き』って事だと思う。
 初めて見たアンタはとても情熱的でセクシーで。
 今まで、気紛れな部分も、反面律儀で付き合いのいい所も、優しさも、素直さも、ユーモアも、愛情深いんだろうって面も見せて貰った。
 エターナルパレスでは、可愛らしくも見えた。

 そのどれもが好きだ。まだ見せて貰っていない部分も、アンタ自身が気付いてない部分もきっと。
 だからオレはアンタを“魂”と呼ぶ。もっと知りたいと思う。
 オレはまだ、アンタの興味を惹けてるだろうか。
 互いを知りたいと思えていたら、それこそ奇跡だ。


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【From......?】


 庭でハーブの手入れをしていると、一枚の紙切れが降って来た。
 認識の中に少なくともヒトの姿はなかったが――意味もなく顔を上げる。意識が上へ向く。
 換羽も終わるかというルシアンが、傍らで威嚇するように鳴いた。視線の先に、黒い鴉。
 こちらも、倣うように視線を向けた。意味は無いが。

「…………」
「あ゛ぁ゛ーー!」
「うるしゃい。」

 白いくちばしを上から指先で押さえて黙らせる。
 静かになった。黒い方の鴉は、何も言ってこなかったから。
 手の中の紙片が全くの白紙であるのは、目を向けずに確認した。
 白い紙を降らせてくる方法に心当たりはあったが、それとこの鴉はいまひとつ結びつかない。
 が。

「……いい子だ。ごくろーサマ。」

 自然の鴉か、魔法生物の類かすら分からないものの、誰かの使いであるのは間違いなさそうなそのイキモノへ、一先ず微笑みかけておく。
 もごもごと不満げな声を漏らし続けるルシアンへも何の反応も示さないまま、その黒い姿は飛び去って。

「……何だろうなー?」
「かぁー?」

 その白い紙片は、そっとポケットに収められた。


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【三通目】


(2013/09/05_夜)
 アンタは、オレのこんな行いにも「ノー」と言わないんだな。
 オレもアンタに決してノーと言わないと言ったけど。
 実は、もし起こるなら絶対にノーと言うだろう事が、二つある。
 もしかしたら、アンタがオレにノーと言わない事の方が多いのかもしれない。
(例えそれが、実質ノーである誤魔化しだとしても!)

 ___。アンタの髪型や服装や化粧が一定であることには、何か意味があるんだろうと思ってる。
 そう予測を立てながら「髪を括れ」って言ったのは、断られると分かり切ってのことだったし、一種カマかけでもあった。
 どうしてか、アンタは、オレが本当に思うことに、ノーと言ってない。
 ……その手に触れて、綺麗だと言うのも。黎明と呼ぶことも。お守りも。色々。

 不思議だな。
 その辺りの話も、一度聞いてみたいと思うんだ。
 長くなる夜に、二人で。


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【四通目】


(2013/09/06_夜)

 他愛ないことも書きたいと思うけど、それですぐ出てくるのは、なんかほんのりとムラムラするとかしょーもないことばかりだ。
 アンタは遊んでしまいたいと言ったけど、全く、遊びの為に遊びを我慢するとしたら妙な話で。
 どんなセルフ焦らしプレイかと思うと妙な気分になる。変な意味でなく。いや、変だけど。

 ……まぁ、アンタはオレよかよっぽど回復力あるみたいだし。それで怪我でもしたら、治療させて欲しいってのは常の本音だ。
 何かあったら――寧ろ何もなくても――部屋に来てくれると嬉しい。花水晶の屋根裏。
 オレが居なくても天窓の鍵はよほど雨風が強い日でない限り開いてるし、薬は一通り揃ってる。

 つーか、お姫サマを思って遠慮してたけど、或いはルインが居るならフツーにアンタを招いてもイイんだろうかなぁ……。


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【五通目】


(2013/09/07_夜)

 考えてみれば、この行為はある種のストーカーに近いと思う。
 けどアンタはノーと言わないし、読まずに捨てることも出来るから、これは押し売りではないと思いたい。

 伝えたいことも聞きたいこともたくさんあるけど、その本当のところは顔を合わせて交わした方がイイんだろう。
 ……顔を合わせたら合わせたで、他愛ないことをしたくなるけれど。
 オレは触れることが好きだから、ただ手を握って居たいし、何度だって抱きしめたいし、何をするでもなくただ広い面積の肌を合わせたくもなる。
 ___。別に応えてくれとは言わないけど、そんなオレに触れてるアンタは、その時、何を思ってるんだろう。

 次に十分な時間が取れる時、語ることになるか触れることになるか、そんなことを考えている。


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【六通目】


(2013/09/08_深夜)

 今日は届かないと思ったか? 残念だったな! 書くよ!

 とは言え、___。この手紙を書くことが、アンタにとって何かをもたらしているだろうか。
 読まずに捨てるにしても読んでくれているにしても、ノーと言わないという事は不快を与えてはいないのだろうと勝手に思っている。
 オレは「誰かのため」って言い方が嫌いだ。この手紙も、単にオレがオレの言葉を嘘にしないためにやっているようなもので。
 好意に見返りを――例えば同じだけの好意を――求めるのはヒトとして当然のことかもしれないけど、オレはそうは思わない。

 だから極端に言えばアンタが不快でさえなければいいのだけど。
 それ以外の好い何かをもたらしているなら、とても嬉しい。
 例えば、安全の認識。もし、アンタに安全な存在と思ってもらえたら、それはとても尊い。
 そんなオレの願望と実際のアンタの気持ちには、何の因果もないだろうけど。


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